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「毎晩、彼のハイライトを楽しみにしている」アーロン・ジャッジの“大谷翔平”語録を総まとめ「球界ベストの選手だよ」《最強ライバルの視点》

2024/12/28
58本塁打で自身2度目のMVPに輝いたジャッジ
大谷と同様にア・リーグで本塁打と打点の2冠に輝き、MVPを受賞。名門ヤンキースの主砲は、好敵手の異次元の記録、桁外れなプレーをどう見ていたのか。驚嘆や共感が入り混じる、特別な感情を明かした。(原題:[最強ライバルの熱視線]アーロン・ジャッジ「毎晩、ヤツのホームランが見たい」)

 互いに満票でMVPに輝いたヤンキースのアーロン・ジャッジとドジャース大谷翔平は今季、印象深いマッチアップを何度か繰り広げている。

 その1つは、7月16日にテキサス州アーリントンで行われたオールスター戦だった。両チームが無得点で迎えた3回、「2番DH」で出場した大谷が無死一、二塁で2度目の打席に入ったとき、ジャッジはセンターの守備位置に立ちながらちょうど現地中継テレビ局FOXのインタビューを受けていた。米国では大手のテレビ局が試合を放送する場合、レギュラーシーズン中でも試合中に守備をしながらマイクをつけて放送席のアナウンサーからインタビューを受けることがよくあり、ましてやオールスターのような祭典では欠かせないものとなっている。

 大谷が打席に入ったタイミングで、アメリカン・リーグの4番でもあるジャッジは「ショウヘイ・オオタニのことをどう思う?」と問われた。レッドソックスの右腕タナー・ホークと対する大谷は1、2球目にボールを選び、打席が続いていた。

「信じられないね。毎年、大変なことをやってのけている。今季はトミー・ジョン手術のリハビリの年なのに(オールスター時点で)打率3割1分6厘、29本塁打とか、そんな成績を挙げている。本当にとてつもないことだよ」

 その最後のひとことを口にした瞬間だ。大谷がライトスタンド1階の深いところへ打球速度167kmの強烈な3ラン本塁打を放った。センターを守っていたジャッジは、ライトにいたヤンキースの同僚フアン・ソトと顔を見合わせて苦笑しながら、呆気にとられた様子で首を横に振っていた。

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photograph by Yukihito Taguchi

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