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「逆境は人間をクリエイティブにするよ」ドジャースはなぜメッツに勝てたのか?第2戦の「最善の敗戦」も鍵に【リーグ優勝決定シリーズの深層】
入国審査官の典型的な質問だった。ロサンゼルス国際空港で、私は滞在期間を伝える。
「ドジャース次第なんだ。シリーズがもつれれば長くなるけど、最短で1週間くらいかな」
すると、仏頂面だった彼は小さく笑みを浮かべて言った。
「なら、長くなるね。でも大丈夫。最後はドジャースが勝つよ」
10月12日、リーグ優勝決定シリーズ開幕前日のドジャースタジアムに入った。
17時に監督、デーブ・ロバーツが姿を現す。前夜にパドレスを下した余韻と、翌日にメッツとの初戦を控える緊張が交錯する会見場。30人ほど集まった記者の質問にも、パドレス戦のレビューとメッツ戦に向けたプレビューが入り交じる。
「このシリーズではブルペンゲームが1、2回ある」
「(過去のポストシーズンで)私はクレイトン・カーショウをリリーフ起用した。その判断は神経をすり減らすものだった」
ドジャースの投手陣には負傷者が続出している。先発のタイラー・グラスノーやギャビン・ストーン、さらには地区シリーズで好投したリリーバー、アレックス・ベシアも離脱した。それゆえ初回から中継ぎ投手を細かく繋いでいく「ブルペンゲーム」を強いられている状況だ。
ドジャースの先発はジャック・フラハーティ、ウォーカー・ビューラー、山本由伸。この3人で3日間、もう1日はブルペンゲームという方式でローテーションを回す。
なぜ、これほど離脱者が続出しているドジャースが、パドレスに勝てたのだろうか。記者席で隣に座った米誌スポーツ・イラストレイテッドの記者、ニック・セルべに何気なく尋ねると、彼はこうつぶやいた。
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