特別増刊
Special Feature

記事を
ブックマークする

《30代で進化する肉体》遠藤保仁が伝授する“ゆるトレ”の本質<ヤット式は「気持ちがのらないときはやるな」>

2024/02/03
ガンバ大阪のトレーニングルームでダンベルを動かす遠藤選手。2012年に発売されたNumberDoより
カラダづくり3カ条
・理想は力強く踏ん張れる「黒人選手の脚」。
・注意しているのは、やりすぎないこと。
・気持ちが乗らないときはトレーニングしません。
(初出:NumberDo winter 2012日替わり筋トレ 遠藤保仁「30代で伸びるヤット式“ゆるトレ”」)

 遠藤保仁、日本代表における不動のボランチ※1。所属するガンバ大阪においても日本代表においても、最も重要な選手であり、彼の代わりになる選手はいない。愛称はヤット。

 サッカー選手といえば、有名ブランドの下着の広告に登場するような美しい肉体と厳しいトレーニングをイメージするが、ヤットはちょっと異なる。というか、かなり特殊だ。


─ゆるいカラダは健在ですか?

「ゆるいですよ。ゆるいけど、代表の中盤の中で上半身の筋力は平均値よりぜんぜん上です、最近もらったデータによると」

─カラダを鍛えることについて真剣に意識するようになったのはいつ?

「24歳くらいからですかね。レベルの高い海外の選手とやって刺激を受けて。まあよくある話ですよ、簡単に言うと」

─複雑に言うと?

「複雑に言うと、きっかけはフランス代表との試合でアンリ※2に吹っ飛ばされたことです。ボールを獲りに行ったら、腕一本で押さえられて、オレの勢いを手で殺しながら、その反動を使って、ポーンって前に行ったんです。一瞬で3mくらい離されて」

─みじめな感じ?

「そうです。周りは、『アンリつえーな』で終わっていたかもしれないですけど、オレの中では衝撃的でした。それまでもフィジカルの足りなさはちょこちょこと感じてはいましたけど、あの一撃で完全にわかりましたね」

遠藤がカラダづくりに目覚めた瞬間 '03年6月にフランスで行なわれたコンフェデレーションズカップ。日本代表はグループリーグでフランス代表と対戦、アンリと競り合った遠藤は右手1本で抑え込まれ、逆に自分のカラダを推進力として利用された。このプレー以降、遠藤はカラダづくりを意識し始めた ©AFLO
遠藤がカラダづくりに目覚めた瞬間 '03年6月にフランスで行なわれたコンフェデレーションズカップ。日本代表はグループリーグでフランス代表と対戦、アンリと競り合った遠藤は右手1本で抑え込まれ、逆に自分のカラダを推進力として利用された。このプレー以降、遠藤はカラダづくりを意識し始めた ©AFLO

─普段はどんなトレーニングを?

「シーズン中、試合が週1回の時は、試合翌日の午前に上半身をやります。キツいと感じる程度の重さ、ベンチプレスなら50とか52kgで10回を3セット、部位によって4、5種類」

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Atsushi Kondo

0

0

0

前記事 次記事