やっぱり今年も山本由伸は強かった。才能溢れる若手投手が台頭するパ・リーグでも、終わってみればこの男がタイトルを総なめ。金田正一以来となる3年連続の沢村賞もほぼ確実だ。もはや日本球界でやり残したことなどないのでは? これは野球ファンの一致した意見だろう。
ハイライトは9月9日、敵地でのロッテ戦だった。立ち上がりから快投を続け5回までは完全投球。6回に四球を与えたが、終わってみれば102球でノーヒットノーランを達成。82年ぶりという2年連続の快挙に、マウンド上で歓喜のウォーターシャワーを浴びて破顔した。
驚くのはヒーローインタビューで口にした「3回くらいから完全試合を意識した」という言葉だ。投げる試合は、常に完全試合を目指す――。投手にとっては理想の挑み方だが、こんなにも現実的に絵を描けるのは山本くらいではなかろうか。
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photograph by JIJI PRESS