5回裏のマウンドに山本由伸が上がる。
パトリック・キブレハンへの初球、山本がフォークを投げた。141km、空振り。
そこで山本が自軍のベンチを見た。
続く2球目、またもフォークで空振りさせたが、球速は139km。140km台後半が出ていたフォークの球速が明らかに落ちている。2球目の後も山本はベンチを見ていた。
3球目、今度はフォークが136km。明らかにスピードが出ていない。すると山本が右手を上げて、ベンチに合図を出した。2年連続で投手4冠を獲得した絶対エースが4回0/3、64球で感じた異変――左脇腹につった感覚を訴えてのまさかの緊急降板だった。
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photograph by Hideki Sugiyama