約2カ月間にわたって開催されるラグビーW杯。日本開催だった前回大会とは利便性が大きく違うという。幾多の海外取材を経験してきたスポーツライターでも苦戦した、エスプリの国の特殊事情をあぶりだす。
どうして、君たちはそんなにもテキトーなのだ! そんな声を上げたとしても馬耳東風、フランスの方々はマイペースで仕事をしていく。メディアの都合はお構いなし――という状態がずっと続いている。ストレスは……ある。
1999年の第4回大会から観戦、取材を含めて7回目のW杯になるが、とにかくびっくりすることばかり。私がより強くそう感じてしまうのは、4年前の日本大会の運営が完璧だったからだと思う。ここで私の経験による日仏運営比較をしてみよう。
フランスに来て知る日本大会運営の素晴らしさ
・日 メディアバス 事前に時刻表が提示され、それで旅程を組むことが可能。会場によっては試合終了直後からワークルームが閉鎖される深夜まで、15分、あるいは30分ごとにバスがターミナル駅まで運行。安全確実。
・仏 メディアバス 定刻発車はゼロ。30分遅延は当たり前。そもそも本数が少なく、試合前の運行がない会場も多い。どうぞ勝手にいらっしゃい姿勢。帰りは試合終了後2時間をメドに発車するが、運転手が突然やる気をなくし、勝手にキャンセルという驚きの事態に遭遇することも。
・日 メディア食堂 無料で温かい食事を提供。軽食としてヤマザキ「ランチパック」が各会場で用意され、外国人メディアが食べ比べをしていた。
・仏 メディア食堂 ナシ。メディアセンター横にケータリングのトラックがあり、そこでお金を払って買う。8ユーロから12ユーロほどのお値段。ボルドーでは開幕週にあったトラックが、4週目には消えていた。商売にならないので出すことを拒否したと思われる。
全ての写真を見る -3枚-
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Kiichi Matsumoto