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バスは来ない、食堂はない、愛煙家天国…ライター生島淳が抱えたフランスへの「愛」と「憎」<パリ五輪でもフランス人は合唱禁止?>

2023/10/15
生島氏によると試合中の歌はあまり上手くないというフランス人
約2カ月間にわたって開催されるラグビーW杯。日本開催だった前回大会とは利便性が大きく違うという。幾多の海外取材を経験してきたスポーツライターでも苦戦した、エスプリの国の特殊事情をあぶりだす。

 どうして、君たちはそんなにもテキトーなのだ! そんな声を上げたとしても馬耳東風、フランスの方々はマイペースで仕事をしていく。メディアの都合はお構いなし――という状態がずっと続いている。ストレスは……ある。

 1999年の第4回大会から観戦、取材を含めて7回目のW杯になるが、とにかくびっくりすることばかり。私がより強くそう感じてしまうのは、4年前の日本大会の運営が完璧だったからだと思う。ここで私の経験による日仏運営比較をしてみよう。

仏の首都・パリのルーブル美術館の前で。気候の良い秋とあって観光客も多い Kiichi Matsumoto
仏の首都・パリのルーブル美術館の前で。気候の良い秋とあって観光客も多い Kiichi Matsumoto

フランスに来て知る日本大会運営の素晴らしさ

・日 メディアバス 事前に時刻表が提示され、それで旅程を組むことが可能。会場によっては試合終了直後からワークルームが閉鎖される深夜まで、15分、あるいは30分ごとにバスがターミナル駅まで運行。安全確実。

・仏 メディアバス 定刻発車はゼロ。30分遅延は当たり前。そもそも本数が少なく、試合前の運行がない会場も多い。どうぞ勝手にいらっしゃい姿勢。帰りは試合終了後2時間をメドに発車するが、運転手が突然やる気をなくし、勝手にキャンセルという驚きの事態に遭遇することも。

・日 メディア食堂 無料で温かい食事を提供。軽食としてヤマザキ「ランチパック」が各会場で用意され、外国人メディアが食べ比べをしていた。

・仏 メディア食堂 ナシ。メディアセンター横にケータリングのトラックがあり、そこでお金を払って買う。8ユーロから12ユーロほどのお値段。ボルドーでは開幕週にあったトラックが、4週目には消えていた。商売にならないので出すことを拒否したと思われる。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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