#1020
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「ラグビーのキャプテンは選手の領域から…」廣瀬俊朗と中村憲剛が語り合うリーダーシップの本質[異種目スペシャル対談]

2023/10/02
illustration by Wataru Hikichi
ラグビーとサッカー。それぞれのピッチで主将を務めた両雄が、長きにわたった現役時代に培った価値観、競技性を反映するキャプテン像、リーダーに求められる資質について語り合った。(初出:Number1020号[スペシャル対談]廣瀬俊朗×中村憲剛「逃げない、信じる。それがキャプテン」)

 キャプテンは、人間性やカリスマ性だけでは組織を引っ張っていけない。調整力や決断力という実務能力が伴わなければ、尊重や敬愛など得られない。

 ラグビーは特にそうなのか、それともスポーツ共通のことなのか。「フットボールの兄弟」であるラグビーとサッカーにおけるキャプテンの照合から、その答えを導くことができるのかもしれない。

 生まれつきのキャプテンシー。

 廣瀬俊朗は南アフリカ代表を撃破した2015年イングランドワールドカップのジャパンを形成した中心人物であり、中村憲剛は2020年シーズン、圧倒的な強さでリーグを制した川崎フロンターレの組織力を醸成した功労者である。

 初顔合わせの2人が競技の枠を飛び越えて「キャプテン論」を語り合う――。

 

――生粋のキャプテンという印象がお二人にはあります。「向いているな」という感覚を高校くらいから持っていたんじゃないかと勝手に思うのですが。

廣瀬 思ったことないですよ。逆に「何で僕なんかな」と。高校は大阪の田舎でそんなに強くなくて、そのなかではうまいほうだったからかなと。プレーで引っ張れたのは高校、大学くらいまでですけど。

SANKEI SHIMBUN
SANKEI SHIMBUN

中村 俺もそうですね。生来のリーダーシップを持っている人間ではないと思っていました。ただ、誰に対してもモノをズバズバ言うタイプなので目立っていたんだろうな、と。監督さんが「キャプテンやらせてみたら、チームがいい方向に行くんじゃないか」と思ってくれたのかもしれません。

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