8年前の夏、とめどなく涙を流す高橋奎二の肩に手を掛けながら、龍谷大平安の原田英彦監督は声を絞り出した。
「奎二、いいよ。お前にええ夢、見せてもろうた。楽しかったよ。ええ思い、させてもろうた。ホンマにありがとう」
名門校で指揮を執って31年目になり、教え子は600人を超えたという。卒業生の進路をまとめた資料を持ち「我が子やと思ってるんです」と笑う。高橋もまた、温かいまなざしを注いできたひとりである。
「もともと明るいんです。天真爛漫。一番いいところは素直さです。嫌な顔を絶対にしないし、みんなに好かれるんですよね」
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photograph by SANKEI SHIMBUN