“規格外”の大型新人が現れた。
「20歳を超えてもまだ身長が伸びているんです」と初々しい笑顔を見せるのは、2m4cmの北青鵬だ。
入幕2場所目となった5月夏場所では、東前頭11枚目の地位で10日目までに8勝を挙げ、優勝戦線にその名が上がる活躍を見せた。
なかでも朝乃山戦では、後ろまわしを深く掴んでがっぷり四つに組み、豪快な下手投げで元大関を転がして見せた。しかしながら、角界一を誇る高身長は、ときに諸刃の剣ともなり得る。本人は「長い手足が武器でもあり、活かしたい」というものの、相手に低く当たられ中に潜り込まれると、棒立ち状態になってしまうことも。いささか強引ながらも、肩越しにむんずとまわしを掴むのだが、特筆すべきは明生戦だった。渾身の寄りを棒立ちになってしのぎ、すでに足は俵に乗るも、右上手で一枚まわしを掴む。土俵際を回り込んでの上手投げ。国技館の観衆が驚き、どよめくほどの一番となった。
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photograph by JIJI PRESS