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「森保ジャパンを止めた男」現地記者が綴るドミニク・リバコビッチの正体《カタールW杯を振り返る》

2023/01/26
強国撃破で勢いづいた日本をノックアウトステージ初戦で止め、優勝候補筆頭のブラジルをもストップさせたクロアチアの砦。プロキャリア11年目のいまも国内に留まる守護神の素顔に迫る。

 日本のフットボールファンにとって、その名は失望を呼び覚ますものかもしれない。

 ドミニク・リバコビッチ――カタールW杯ラウンド16のPK戦で、南野拓実、三笘薫、吉田麻也のスポットキックを止め、日本が狙っていたベスト8入りを目前で阻んだGKだ。

 クロアチアの守護神は準々決勝のブラジル戦でも活躍し、W杯における同代表史上最多となる11セーブを記録。日本戦と同様に1-1のまま突入したPK戦では、相手の1番手ロドリゴを止め、4番手マルキーニョスのミスを誘い、優勝候補の筆頭に挙げられていた王国を下す立役者となった。

 大会最優秀GKの称号は優勝したアルゼンチンのエミリアーノ・マルティネスに譲ったものの、3位決定戦で鎬を削ったモロッコのヤシン・ボノや、このクロアチアの英雄を推す声も大きかった。

 ただし大会前にリバコビッチの存在を知っていたファンは、クロアチア人を除き、あまりいなかっただろう。10代の頃からほぼ一貫してイングランドでプレーしてきたマルティネスや、長くスペインでキャリアを築いてきたボノとは違い、現在28歳の彼は母国のクラブしか知らない。同国随一の名門ディナモ・ザグレブに籍を置くようになったのも、'16-'17シーズンからだ('15年夏に契約したが、最初の1年間はローンでNKザグレブに残留)。

Getty Images
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 クロアチアの盟主に所属しているため、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの場数は踏んでいる。しかし逆に言えば、そのような注目を集める舞台に何度も立っているにもかかわらず、西欧の主要リーグのクラブから勧誘されることはなかったわけだ。つまり、リバコビッチは真のワールドクラスのGKとは言い難い――少なくとも、これまでのところは。

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photograph by Getty Images

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