マット・シューメーカーは新外国人の中で、大谷翔平のプレーを最も間近に見て、親交も深かった元メジャーリーガーである。
大谷がメジャーに移籍した1年目の2018年、ともにエンゼルスで先発陣の一角を担った主力投手同士。通訳の水原一平も交え、食事をともにする間柄だった。そこでシューメーカーは、このシーズンオフに巨人と契約すると、自ら大谷に電話をかけ、日本の野球について助言を仰いでいる。
「翔平にはいろいろと日本のことを教えてもらいました。言葉の違いがあるのでもっぱら一平を通してですけどね。野球自体の違いや、打者のアプローチの仕方や待ち方の違いとか。でも、すべては些細なことだと翔平は言うんです。アメリカにいい打者がいるように、日本にも優れた打者がいる。それはどちらも変わらないよ、と」
そうした実際のゲームに即した情報以上に、日本の生活に馴染み、文化を理解することが大切だと大谷は強調した。「これが大きかった」とシューメーカーは言う。
「翔平によれば、アメリカではとくに気に留めなくてもいいような対象や物事にも、日本では敬意を表する。そういう文化が、日本にはあると教えられました。例えば、自然の美しさとか、街並みがきれいであることとか、そういうことを日本人は当たり前と思わず、常に敬っているんだとね」
そして、大谷は「日本に行ったら、日本の生活が大好きになるよ」と予言した。
「ひとつひとつの細かい助言、具体的な話がためになったというより、そうした文化や生活全般に関する話を聞いて、僕も安心できたんですよ。よし、これで臆することなく日本に行けるぞ、と思えました」
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