スポーツに根性は不可欠である。根性なくしてハイパフォーマンスは望めない。元ラグビー選手として、ここは譲れない。だからといってむやみやたらに根性をつければいいというわけでもない。鉄は熱いうちに打てとばかりに指導者が選手に苦しさを押しつけるのはむしろ不毛である。理不尽さを耐え忍ぶ環境に長らく置かれると、主体性が欠落した従順なマインドがつくられるからだ。
暴力的な言動による指導がいまだ続くスポーツ界では、古典的な根性論がまかり通っている。今でこそパワーハラスメントが社会問題化しているが、もともと根性論への信奉はスポーツ界以外でも多く見られた。何をするにおいても心構えが大切なことは古来ずっと言われてきたし、「根性=精神なるもの」の効用は、学業や仕事などの場面で実のところ多くの人が実感していると思われる。
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photograph by Sports Graphic Number