#1040

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<私が裁いた名勝負>最終セット、戻ってきたラファの姿に驚いた。

2021/11/30
語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼しか知らない新たな景色が見えてくる。

2008年 ウィンブルドン 男子シングルス決勝
7月6日/AELTC
ラファエル・ナダル 3対2 ロジャー・フェデラー
(6-4、6-4、6-7、6-7、9-7)

6連覇を狙うフェデラーに全仏4連覇直後のナダルが挑んだ決勝は、3年連続の同一カード。ナダルが2セット連取すると、第3セット途中で降雨中断。再開後はフェデラーが連取し最終セットへ。再び中断するも第16ゲームでナダルが勝利を掴んだ。試合時間は4時間48分に及んだ

   ◇

 ウィンブルドンは他の大会と違って、決勝戦の審判員の告知も、ものすごく古典的な手法を取るんです。大会2週目の水曜日にチーフアンパイア(審判員の統括者)から、男子決勝戦のチェアアンパイア(主審)を任命する旨が書かれた手紙を手渡されました。もちろんその時点で、誰が決勝に来るかは分からない。ロジャー(・フェデラー)とラファ(ラファエル・ナダル)が勝ち残っていたので、二人の決勝の可能性はあると思いましたが、先入観を抱くことは危険です。ただ私は審判であると同時に、大のテニスファンでもあります。純粋に、良い決勝戦になることを望んでいました。

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