日本のプロ野球史を親会社の興亡や変遷の視点で描いた本書は、これまで私が低い解像度のまま漠然と理解したつもりになっていたプロ野球の成り立ちをより鮮明に映し出してくれた。
1936年に日本初のプロ野球リーグとして発足した「日本職業野球連盟」に加盟した最初の7球団は、親会社の業種で分けると鉄道が3、新聞が4。当時の日本では交通と情報こそが国家の根幹を支える事業であったことがうかがえるわけだが、肝心のその経緯と背景――明治時代のベースボール伝来から始まる野球と産業の流れについても、丁寧な調査をもとに精緻に描かれているところが本書の誠実さだ。
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