僕が読書好きになったのは、父親の影響が多分にあります。四六時中と言っていいほど何かの本を読んでいましたし、口癖も“本を読め”でしたから。それでも僕自身、読書量が増えていくことになるのは、競技に復帰してロンドンオリンピックを目指していた東洋大学職員時代。メンタルが強くなかったので、自分の心を知るために心理学や哲学系の本がどうしても多くなっていました。
意識して読書するようになった最初のころの本って、心に残りやすいのかもしれません。昭和初期から終戦まで、アヘンの売買によって中国にいる日本陸軍の活動を資金面で裏から支えていた里見甫を描いた『其の逝く処を知らず』は僕にとってそんな一冊だと言えます。
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