2021年のF1は3月末のバーレーンで開幕した――本稿執筆時点ではまだフリー走行も始まっていないが、レッドブル・ホンダの開幕戦勝利を思い描いている。
シーズンオフのテストはわずか3日間。“テストから戦力図を読み取ろうとするのは不可能”というのが常識的で慎重な見解だ。しかし開幕戦の2週間前に開幕の地サクヒールで行われた今年のテストは異例。各チーム、2週間後のグランプリを想定して予選やレースのシミュレーションを行ったのだから、具体的にグランプリに反映される要素は多い。
もっとも好調だったのはレッドブル・ホンダで、6レース分以上の距離をトラブルなく走行し、マックス・フェルスタッペンがトップタイムを記録した。そしてタイム以上に大切なのは、昨年よりずっと安定したマシンの動きをドライバーが“快適”と表現している点。ホンダが投入した真新しいパワーユニットが順調に走り続けた点―メルセデスPUの進化度合いを予測し、それを上回る目標値を設定したホンダは、実走でも想定通りの性能を確認した。
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