本書の元原稿は、本誌『Number』に連載されたアトランタ五輪の観戦記「廃墟の光」である(1996年)。
著者の沢木耕太郎は連日、メディア用のバスなどを使って陸上、水泳、バレー、バスケット、柔道、ボクシング、重量挙げなどの会場に足を運ぶ。早朝、朝食を食べ損ねてリンゴを手にホテルを出、帰りが遅れて深夜開いている店を探したりする。予定を立てず、行き当たりばったり風にその日の行動を決める観戦行は、放浪的旅路の趣きがある。
「私設の休日」とした日、ぶらっと古書店を訪れる。若き日、ニューヨークの古書店でスポーツ・ノンフィクションの秀作『ワン・モア・ジュライ(七月をもう一度)』を手にした回想のくだりなど、情感に満ちた文で印象深い。
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