坊主頭、下宿生活、先輩たちの愛情溢れる指導、永遠に思える走り……。自身の礎を築いた原点で、いつだって思い出してしまう濃密過ぎる3年間。鹿実が誇る2人の天才が高校時代を語り合う。(Number995号掲載)
前園 ユニホーム、よく持ってたね。
松井 実家にあったんですよ。親父が残しておいてくれたんです。
前園 すごいな。俺は実家にもあるかどうかわかんない。
松井 送って欲しいって頼んだら、「送料500万」って言われましたけどね(笑)。
前園 懐かしいなぁ。でも、俺と大輔は8歳違い。かなり違うと思う。もう共学?
松井 そうです。ヤットさん(遠藤保仁)のときから共学になったんですよ。
前園 校舎も立派なところに移ったあとだね。下宿は?
松井 最初の1年は下にいて、そこから上に移りました。
前園 「下下宿」と「上下宿」があるんだよな。上下宿は坂を上らなきゃいけないから結構大変。夏、はらら温泉入って上に上がると、もう汗かいてたでしょ。
松井 そうそう。
前園 そこからまた水浴びるってやつね。
松井 やってました(笑)。
前園 そもそも、大輔はなんで鹿実だったの? 選択肢がいっぱいあったでしょ。
松井 奈良育英、京都サンガ、ガンバ大阪とかの練習に参加して京都より西に行こうと決めてたんですよ。市船(市立船橋)からもオファーがあったらしいんですけどね。
前園 関東は考えてなかったんだ。
松井 チャラつくのが嫌だったんですよ。西に西に進んで行って、最後東福岡で終わろうと思ってたんですけど、あんまり欲しそうじゃなくて……。みんなから「欲しい、欲しい」言われてきたのに、「なんだよ」みたいになって。
前園 国見は?
松井 考えてませんでした。そんなとき友達が行くっていうから一緒に鹿実に行ったら、(松澤隆司)監督にめちゃめちゃ褒められて。それでだまされたってやつですね(笑)。
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photograph by Masakazu Yoshiba