1936(昭和11)年ベルリン大会は、規模や環境においてそれまでの五輪をはるかに凌駕するものだった。記録映画もまたそうで、レニ・リーフェンシュタール監督の『オリンピア』(「民族の祭典」「美の祭典」の2部構成)は屈指の名作として語り継がれてきた。
本書は、90代に入ったレニに、著者の沢木耕太郎がインタビューする模様からはじまり、終章では彼女が若き日のブロマイドを沢木に手渡すところで締めくくられている。『オリンピア』は圧倒的な作品であったが、厳密な意味でのドキュメンタリーではなく、競技シーンの再現やフィルムの裏焼きなどもほどこされた、「極上のブロマイド」だったことが解き明かされていく。
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