4連勝でジャイアンツを下し、日本一を決めたホークスの選手たちは、誰もが誇らしげな表情で東京ドームの通路を引き上げていった。ただ一人、彼だけを除いて――。
「1年間を通して成功してきたことより、今日みたいに大舞台での失敗が自分の中には印象深く残るんです。先輩たちはいい経験だと言ってくれますけど、二度と今日みたいなことをしないよう、この経験をどう活かすかというところが大事になってくると思います」
去年の日本シリーズで甲斐拓也がカープに肩でプレッシャーを掛けたように、今年、ジャイアンツに足でプレッシャーをかけてホークスを波に乗せたのが、23歳の周東佑京だった。今シーズンの開幕直前、育成から支配下に上がった周東は、主に代走として25盗塁、成功率.833という数字を残した。日本シリーズでも大事なところで代走に送られ、球場の空気を一変させてきた。
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photograph by Hideki Sugiyama