18歳でカメルーンからアメリカに出てきたとき、パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ)は自分が7年後にNBAファイナルのコートに立つことになるとは思ってもいなかった。ましてや、NBAファイナル初戦で32点、8リバウンド、5アシストと大活躍し、チームを勝利に導くことになるなんて、想像すらできなかった。
「あの頃、誰かにそんなことを言われたら『クレイジーだ』と言ったと思う」とシアカムは振り返る。当時の彼にとっては、バスケットボールは母国からアメリカに出てくるための手段に過ぎなかった。
もともと、絶対に手に入れたいと思ったときには自然とスイッチが入る性格だ。競技経験がほとんどないままに、NBAが主催する海外キャンプに選ばれたときには、ここで活躍すればアメリカに行けると気づき、力を出し切った。キャンプを見ていた現ラプターズ球団社長のマサイ・ウジリも、何よりその頑張りが印象に残ったという。
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