“天才”とも“未完成”とも言い表される無敗の皐月賞馬。直前での鞍上交代に揺らぐことなく底力を発揮し、新しい時代のダービーにその名を刻めるか――。ウオッカ以来12年ぶりの制覇を目指す指揮官を直撃した。
5月上旬、ゴールデンウィーク明けの朝の調教を終えた角居勝彦厩舎。その馬房の多くは前扉が閉められている中、皐月賞馬サートゥルナーリアのそれは開け放たれていた。扉を見ると、内側から蹴られたのか、下の部分が外側へ少し出っ張るように湾曲している。そのために閉めないようにしたのだろうか。
もしかしたら、競馬を使ったことで、少々ピリピリしてきたのか……。
気合いが乗るのは悪い事ではないが、時に度が過ぎると、マイナス材料となり兼ねない。兄のエピファネイアやリオンディーズがそうだったと聞く。どちらもデビューから無敗のまま重賞ウィナーとなったが、ダービーの頃には折り合いなど少々難しい面を出すようになり、最大の目標だったはずの頂上決戦では敗れてしまった。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Photostud