プレイボールの声と共に、モーターサイレンの音が響き渡る。
これを書いている今は、まさに盛夏で、ちょうど百回目の甲子園大会が行われているのだが、清しく闘う球児たちの姿は美しい。彼らだってただの高校生男子であることはわかっているし、美化したり、妄想を押しつけたりしているわけではない。ただ、年を取れば取るほど、彼らのことを美しく感じる。
甲子園という特殊な場所の、特殊な季節の、特殊なシチュエーションだから、美しく感じるのだろうか? いや、そうではない、ということが、この小説を読めばわかる。盛夏ではなく、晩夏のプレイボール、というタイトルがそれを象徴しているかもしれない。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Sports Graphic Number