幕末、文久三年。力士の三峰山は、勧進相撲で相手の髷を掴むという禁じ手を出し、角界を追放されてしまう。
元行司の庄吉の提案で、上方から流れて来た磯助と一緒に賭け相撲や子ども相手の相撲寺子屋などを始めるが、これも会所から横槍が入った。とにかく、追放された以上「相撲」をとることまかりならん、というわけである。
そこで庄吉は考えた。相撲でなければいいのだ。土俵は使わない。殴っても蹴ってもいい。足裏以外の体が地面につくか気を失ったら負け。それじゃ体がもたない? 最初から試合の流れと結果を決めておけばいい。善玉と悪玉を出して、最後は善玉が勝つようにしよう。そうすれば芝居だと言って興行が打てる……。
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photograph by Sports Graphic Number