スポーツ新聞社では野球記者だったが、自分では、ユーティリティ(便利屋)記者、と思っていた。多くの競技をのぞいたが、女子プロレスは無縁だった。けれども、小畑千代の名前は聞き知っていた。本書の帯は謳う。彼女は81歳の今も「引退は、していない」と。
小畑は、1955年にデビューし、最後の試合は1976年。しかし、闘志はいまも健在だ。日本女子プロレスの歴史であり、生きた伝説。そのリング歴の多くの試合を団体に所属せずインディペンデントとして、つまり、レスラーとしてだけでなくプロモーター兼任で戦った。昔から興行にはアンダーワールドの影がのぞく。そんな“ちょっと怖い男たち”とも渡り合った独立自尊の姿勢がすごい。
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photograph by Sports Graphic Number