#933

記事を
ブックマークする

全小に見える“錦織効果”。問題はその後のシステムだ。~出てきた才能を世界へ届けるルートを~

2017/08/19

 7月下旬、全国小学生テニス選手権を観戦した。会場に貼られたポスターでは、第19回大会優勝の錦織圭、第25回大会優勝の西岡良仁らが〈僕らに続け〉と呼びかけていた。選手たちは、錦織を追いかければ必ず世界に近づけると信じて戦ったことだろう。

 会場に第1回大会優勝の山本育史の姿があった。4歳上の松岡修造らとデ杯代表で活躍したが、個人戦では四大大会出場を果たせず、ウィンブルドン8強の松岡に続けなかった。山本が悔やむのは、体格に恵まれ、高校3年で海外に飛び出した松岡を「違う存在」と見てしまったことだという。だが、小柄でサラリーマン家庭に育った錦織を、同年代や後輩は特別視せず、次は俺だ、と刺激に替えた。「錦織がいたから杉田祐一や西岡が上がってきた」と山本は錦織効果を認める。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Hiromasa Mano

0

0

0

前記事 次記事