160kmの剛球はない。七色の変化球も持たない。それでも上原がMLBで三振を奪えるのは何故か? 自身も精密な制球でMLBのクローザーを勝ち取った高津臣吾氏が、その「秘術」を解き明かす。
上原浩治がびっくりするような豪速球を投げることはない。ストレートのスピードは140kmに届くかどうか。
球種はこのストレートとスプリットのたった2種類。それなのに、メジャーの強打者たちを鮮やかに三振に仕留めていく。
数字からも、上原の力をうかがい知ることが出来る。レッドソックス時代の2013年には74回3分の1を投げ、奪三振は101個を記録。9回あたりの三振数(K/9)に計算し直すと、このシーズンは12.23を記録した。上原はメジャー2年目の'10年から、K/9ではずっと2桁を維持しており、昨季は12.06にまで再び数字を向上させている。上原の“奪三振力”に衰えは見られない。
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photograph by Yukihito Taguchi