大相撲夏場所の土俵にハラハラドキドキ。手負いの横綱、稀勢の里の強行出場に胸騒ぎの日々だった。
筆者は叔父が福島県相馬市で草相撲の横綱だったこともあって、若いころは本気で大相撲の担当記者になりたかった。それが19年ぶりの日本出身横綱の誕生で、また相撲にのめり込んでしまった。
「モンちゃん、この子覚えておいてよ。強くなるよ!」
昨年11月に亡くなったプロレスリング・ノアの永源遙さん(享年70)から、17歳の萩原寛少年を紹介してもらったのは、たしか13年前のことだ。
'04年の春、東京・日本武道館大会だった。1階のスタンド席にマゲ姿の幕下力士がちょこんと座っていた。童顔のクリクリ目で、リング上の三沢光晴(故人)や秋山準のファイトを懸命に追っていた。取材現場に付き添う妻は、ペコリと頭を下げる萩原少年に「目がキラキラしてたわ。きっと伸びるわね」とひと目惚れだった。
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photograph by AFLO