華麗なるステップとパスワークで観客を魅了し、一時代を築いたラグビー界のレジェンドが、あまりにも、あまりにも早くこの世を去った。共に夢を追いかけ、共に戦った大八木氏が語る、誰からも愛された貴公子の素顔。
最後に会ったのは、去年の春から夏の間。新神戸駅の新幹線ホームでたまたま出くわしました。僕が勤務先でのトラブルをいろいろ報じられていた頃だったので、「大八木さん大丈夫なんすか? 手伝いますよ。ぼく学長にでもなりましょか?(笑)」「アホか、お前のギャラ高すぎて払われへんわ」――学生時代、お好み焼きを食べながらアホ言いあってたのと変わらない、いつものやりとりでした。様子も普段どおりでした。でも9月のW杯の解説としてテレビに映った時、痩せすぎやと感じました。その後、(具合が)よくないという話が入ってくるようになって……。本人は隠していたから、あえて直接訊くことはしませんでした。
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photograph by Naoya Sanuki