#901

記事を
ブックマークする

夢のために好待遇を蹴った李大浩が見せる“底力”。~消えなかった「僕の夢」メジャー挑戦への意志~

2016/05/05

 ふっくらとした顔に、満面の笑みが広がった。マリナーズの李大浩が4月13日のレンジャーズ戦で、劇的な一打を放った。2-2の同点で迎えた延長10回裏2死一塁から、代打で出場し、左翼へサヨナラ本塁打をたたき込んだ。5連敗中のチームの雰囲気を変える、まさに値千金のひと振りだった。

「連敗が終わってうれしい。チームメイトのみんなにたたいてほしかった」

 8日の第1号本塁打の際は、「チームが負けたから」と言葉少なだった大砲も、ホーム付近で待ち構える同僚の手荒い祝福の輪に、ためらうことなく飛び込んだ。


 韓国で2度の三冠王に輝き、'12年に来日。昨年は、ソフトバンクの主砲として活躍し、日本シリーズMVPを獲得するなど、アジアを代表する長距離打者の立場を確立した。その一方で、メジャー挑戦の意志が消えることはなかった。高額提示が確実だったソフトバンクの慰留を固辞し、マリナーズとマイナー契約。招待選手として春季キャンプに参加し、メジャーへの可能性を探った。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Yukihito Taguchi

0

0

0

前記事 次記事