ふっくらとした顔に、満面の笑みが広がった。マリナーズの李大浩が4月13日のレンジャーズ戦で、劇的な一打を放った。2-2の同点で迎えた延長10回裏2死一塁から、代打で出場し、左翼へサヨナラ本塁打をたたき込んだ。5連敗中のチームの雰囲気を変える、まさに値千金のひと振りだった。
「連敗が終わってうれしい。チームメイトのみんなにたたいてほしかった」
8日の第1号本塁打の際は、「チームが負けたから」と言葉少なだった大砲も、ホーム付近で待ち構える同僚の手荒い祝福の輪に、ためらうことなく飛び込んだ。
韓国で2度の三冠王に輝き、'12年に来日。昨年は、ソフトバンクの主砲として活躍し、日本シリーズMVPを獲得するなど、アジアを代表する長距離打者の立場を確立した。その一方で、メジャー挑戦の意志が消えることはなかった。高額提示が確実だったソフトバンクの慰留を固辞し、マリナーズとマイナー契約。招待選手として春季キャンプに参加し、メジャーへの可能性を探った。
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photograph by Yukihito Taguchi