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意志で能力を培った東村山育ちの高校生。~オコエ瑠偉をめぐる偏見とメディアの矜持~

2015/09/17

 真夏の甲子園、灼けるような土と芝の上、ひとりの高校生が躍動した。

 オコエ瑠偉。関東第一高校の誇る中堅手である。父親はアフリカ大陸のナイジェリア出身とプロフィールにある。8月11日、富山の高岡商業高校と対戦、単独イニング2三塁打を含む3安打4打点の活躍を遂げた。


 担当のスポーツ記者は、さっそく感嘆を言葉に換えなくてはならない。それが職責だからだ。詩人ではない。天から語彙の雫の降るのをいつまでも待てない。締め切りとの格闘。キーボードをせわしく叩く指は、つい、倉庫に積まれた古びたイメージに頼る。

 サバンナ。本能。味方まで獲物のように。飢えたオコエが。プロ野球のスカウトの発言で「野獣のよう」や「ヒョウみたい」。

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photograph by Hideki Sugiyama

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