マツダスタジアムのベンチには、白いヒゲの主がいる。
テレビやラジオの解説がなくても、試合開始3時間以上前には欠かさず球場入りし、ベンチの片隅で練習を見つめる。カープを愛するが故の皆勤ぶりは、もはや評論家の域を超えている。
もはや当たり前となった光景の主は安仁屋宗八。沖縄が生んだ初のプロ野球選手にして、カープでの現役時代はカミソリシュートの巨人キラーとして名を馳せた。そして今は自称・カープ応援団長である。
ベンチでは、選手たちに明るい激励の声を掛ける。プレーをよく見ているからこそ、たった一言でも選手に響く。外国人選手でもお構いなしだ。投手なら「インサイド、オーケー?」、この2単語で持論の内角攻めの極意を伝えてしまう。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Nanae Suzuki