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どれくらいできるのか? ではなくどこまでやろうかと考えること。 ~『サバイバル登山入門』に学ぶ~

2015/02/04

 マムシとシマヘビはおいしくて、ヤマカガシは苦味があり、アオダイショウは生臭いのだと彼はいう。

 テントも時計もライトも持たず、できればマッチやライターなしの登山にも臨みたいと語る服部文祥は、四半世紀のあいだ山登りを繰り返している登山家だ。

 パキスタンのK2や剱岳八ッ峰北面など名だたる難関を20代の頃から踏破した服部。だが、20kgの荷物を8時間運び、1日400円の賃金を得るパキスタンのポーターたちを見ているうちに大きな疑問が頭を支配するようになった。物資に囲まれた生活をする者が経済格差を利用して荷物を持ち上げてもらい、わざわざ高峰に登る意味はあるのだろうか? ポーターたちの方がよっぽどタフでサバイブする能力があるのではないか? かくして服部は「サバイバル登山家」になる。装備に頼らず、食料や燃料を現地調達しながら、道なき道を自力でゆくのだ。

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photograph by Wataru Sato

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