ドジャース、ヤンキースで活躍した黒田博樹が、8年ぶりとなる古巣広島への復帰を決めた。ヤンキースをはじめ、メジャー各球団が提示したと言われる年俸15億円前後の好条件ではなく、4億円の広島を選択したことは、米球界でも話題を集めた。
昨季終了後、黒田は「白紙」の状態でオフを迎えた。最終戦の試合後は、揺れる、複雑な心境を口にしていた。
「野球人としてはオファーがなければ、それは退く時。自分なりに考えなきゃいけないこともありますし、年齢が行けば行くほど難しくなってくると思います」
過去数年は、毎年1年契約を結び、「いつ辞めてもいい」が、口グセのようになっていた。ヤンキースの首脳陣も黒田のスタンスを理解しており、引退の可能性を含め、今オフの動向を見守っていた。ただ、黒田の根底には、「ボロボロになって日本に戻りたくない」との美学があった。あとはタイミングだけだった。広島と3回の交渉を重ねた末、米移籍当時に「野球人生の最後は広島で」と公言した「約束」を守る決意を固めた。
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photograph by Yukihito Taguchi