連敗を止められず、CS進出が危うくなりかけた夏の終わり。タイガースは9月12日からのカープとの3連戦に、今シーズンの命運を懸けていた。藤浪晋太郎で勝ち、17失点の大敗を喫して、1勝1敗で迎えた3戦目。勝負を決めたのは37歳、福留孝介のバットだった。
0対0の7回裏。マウンドには2番手の中田廉が上がる。ワンアウトから福留がバッターボックスに入った。その初球、福留がいきなりバントの構えを見せる。その狙いを、彼はこう説明した。
「あの場面は、どうにかして試合を動かさなきゃいけない。そのために何かを仕掛けて揺さぶろうと思ったし、バントの構えをすることによって、相手の守備位置が変わってくるでしょ。何かを動かすと、固まってた試合って動くんだよね」
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photograph by KYODO