#843
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<ゴールハンターの叫び> 大久保嘉人 「どうしても得点王を取りたかった」

2013/12/19
新天地・川崎フロンターレで31歳にしてキャリアハイを大幅に更新。
男は臆面もなく、自身初のタイトル・得点王へのこだわりを明かした。

 大久保嘉人は31歳にして、シーズン自己最多得点を記録した。ヴィッセル神戸から川崎フロンターレに移籍してきて以来、まるで“ゴールの鍵”を手にしたようだ。

「大人になったことで得点が取れている」と関係者は好調の理由を説明する。しかしセレッソ大阪、マジョルカ、ヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸と取材を続けてきた筆者から見て、彼の本質は変わっていない。むしろ、得点を取り続けているからこそ落ち着いているように映る。だとすれば、ゴールに結びつくプレーそのものに真実はあるはずだった。

 自身初のJリーグ得点王タイトルを目前にした彼を訪ねた。

昔はボールが戻って来んから、ちょっと苛々していた。

――Jリーグ得点王に王手(31節時点で24得点)?

大久保嘉人 Yoshito Okubo
1982年6月9日、福岡県生まれ。国見高校卒業後、'01年にセレッソ大阪に入団。マジョルカへのレンタル移籍やヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸を経て、'13年に川崎フロンターレに加入。今季は26得点と、初の20ゴール超えを果たした。170cm、73kg。

「まだ取ってないよ。気が早いって(笑)」

――残り3試合で3点差。

「3点差なんて、他のみんなもあきらめていない。なにが起きても不思議じゃないよね。気を抜いたら追いつかれる。逆の立場でも、諦めないっしょ。それがストライカー」

――20点超えは初。率直に聞くけど、自己最多得点を取れている理由は?

「俺のやることは変わってない。調子がいいのは、周りの選手が気が利くから。パスを出したら返ってくる。だからこっちもまた出す。全員がそのリズムでプレーしている。今まではちょっと苛々していたかな。ボールが戻って来んから」

――試合後はいつも苛々してた。最近はいい顔してるもんね。

「川崎に来て、点が取れているのは大きいよ。ストレスが溜まることがない」

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photograph by Takahiro Ichikawa

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