快晴となったニュルブルクリンクでの第9戦ドイツGP。母国初勝利を成し遂げたS・ベッテルを苦しめたのはK・ライコネンだった。最終コーナーでラストスパートをかけ、0.601秒差にまで迫る激闘を繰り広げた。
「あと2周あったら抜かれていた」。ベッテルがそう振り返るほどライコネンの追撃は鋭く、終盤のレースペースでレッドブルを凌駕。イギリスGPで起こったタイヤバースト・トラブル多発を受け、ピレリが急遽新スペックに変更したレースだったが、ライコネンのスムーズなドライビングに全く変わりはなかった。
しかし、今季9戦で4度目となる2位にライコネンはぼやいた。「3位よりはいいけど、勝てないレースにはもう飽きた」。勝利を目前にしてまたも及ばなかった彼の率直なコメントだ。ロングランでは安定しているものの、予選アタックでマシンに速さが無く、結果、後方グリッドから自力で順位をあげていくレースが多い。今季PPは一度もなく、開幕戦の優勝も予選7番手から最速ラップをマークするという、ライコネン流の追撃レースの真髄がはっきり見てとれた。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Getty Images