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「一戦入魂」を貫いた、 “不器用な天才”高見盛。 ~14年間の現役生活にピリオド~

2013/02/13
千秋楽は肩すかしで若荒雄を破り、取り組み後、じっと天を見上げた。

「ほら、高見盛を見てみろ。あんなの四股とは呼べないよ。よろよろ脚を持ち上げて下ろして、ただケツっぺたをペチッと叩いてるだけ。それでも小結までいったんだから、不思議なヤツだよな。たいしたものだよ」

 合同稽古で東関部屋を訪れたある親方が、腕組みしつつ嘆息し、苦笑いを浮かべる。相撲界には、「稽古場横綱」という言葉がある。稽古では強くとも、本場所の土俵では勝てない力士を揶揄するのだが、高見盛の場合は、その逆。三段目力士を相手に負けてしまうことが、ままあった。かつての兄弟子で、元横綱の曙が、高見盛を「稽古場序二段」と名付け、首を傾げていたものだった。

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photograph by KYODO

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