稀に見る激戦の年だった。理由は主に3つ。まず、昨年の一部トップチームがアドバンテージを誇った排気流利用・空力システムなどが新規定で制限された。また、ピレリ・タイヤの特性がデリケートでコンディションによって意外な展開も誘発。そして、シーズン中のアップデート・テストが自由にできず、実戦下でそれに追われたことだ。優勝チャンスは広がり、ドライバーズ・レースが増えて“スポーツ性”が高まった。
今年のシーズンアワードは、恒例の「ベスト10ドライバー」ではなく、趣向を変えて多角的に選考する。ベスト・ドライバーにはF・アロンソ、'12年の顔としてはS・ベッテルをセレクト。最速マシンではないフェラーリで2回のPP、3勝、表彰台合計13回は、純粋な意味でアロンソのドライビング能力による。ベッテルは進化したレッドブルで後半4連勝、25歳でのV3達成。'91年A・セナの記録と並ぶ3冠王誕生は後世まで残る偉業だ。
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