「4億円もらいながら阪神の優勝に貢献できなかった男には、晴れの場はいらない」
城島健司は、球団が用意した甲子園での引退試合を頑なに固辞したという。引退表明から一夜明けた9月29日、鳴尾浜でのウエスタン・リーグ・オリックス戦で、1回限定でマスクをかぶり、ユニフォームを静かに脱いだ。
2度にわたる左ひざの手術と椎間板ヘルニアで苦しみ、満足にプレーできないとき、株主総会で「不良債権」と批判された。人一倍チームの勝利を考えていた彼にとっては、屈辱だったにちがいない。
「野球が好きで、捕手が好きで……。捕手が出来ないと分かってプレーすると野球が嫌いになってしまいそうだから」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by KYODO