今年2月、NBA中を沸かせた“リンサニティ(リン旋風)”は、ある意味、純粋に夢物語だった。何しろ、それまでほとんど試合に出られず、無名に近かった台湾系アメリカ人のジェレミー・リンが、ちょっとしたきっかけで大都市の老舗チーム、ニューヨーク・ニックスのスターティング・ポイントガードを任され、あれよあれよと言う間にチームを7連勝に導いたのだ。その間のリンは神がかり的な活躍で、7試合中6試合で20点以上をあげ、決勝のブザービーターも沈めた。ニックスの救世主と呼ばれ、非現実の御伽噺の世界の登場人物のように祭り上げられた。
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