ロンドンで全日本女子を28年ぶりの銅メダルに
導いたエースが10月、世界最高峰のトルコリーグに挑む。
年俸は女性アスリートとしては破格の1億円。
バレー界の未来を拓くために――その覚悟を語る。
導いたエースが10月、世界最高峰のトルコリーグに挑む。
年俸は女性アスリートとしては破格の1億円。
バレー界の未来を拓くために――その覚悟を語る。
日本女子スポーツ界に“1億円プレーヤー”が誕生した。ロンドン五輪で28年ぶりの銅メダルを獲得した全日本女子バレーのエース・木村沙織である。
これまでもバレーだけでなくサッカー、バスケット、卓球など少なからず海外のチームで活躍する女子選手はいたものの、移籍の条件として日本からスポンサーを連れてくることを求められるか、年俸が支払われても現地で生活するのがやっとというのが相場だった。女子選手にとって、海外でプレーするということは、武者修行という様相を呈していたのだ。
欧州各国、中国が争奪戦を展開して、1億円を上回る金額提示も。
昨年末から、欧州のエージェントの間では“誰が日本の「キムラ」を口説き落とすか”というデッドヒートが繰り広げられていた。実際、トルコ、イタリア、ロシア、フランス、中国など数カ国のチームが獲得に名乗りを上げる中、トルコへの移籍を決断した。アゼルバイジャンのあるチームは、トルコのワクフバンクが提示した1億円を上回る金額を内示。だが木村は金額の多寡より環境やリーグのレベル、活性度を優先し、最終的にトルコのワクフバンクを自身初の海外移籍先に選んだ。
なぜ木村にこれほどまでの高額な年俸が支払われることになったのか。ロンドン五輪で見せた、木村のパフォーマンスの高さを知れば、誰もが「1億円」という価値に納得するに違いない。
中国を破り、韓国と銅メダルを争ったロンドン五輪が終わって、10日ほどが過ぎていた。念願のメダルを獲得したせいか、陽だまりに咲いたタンポポのように、いつものホンワカした笑みを浮かべている。
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photograph by Shin Suzuki