死闘の末、五輪切符を掴んだ眞鍋ジャパン。その“ラストピース”が埋まった。
他を圧するスピード、経験に裏打ちされた技術。仲間の信頼と期待を背に、
全日本史上最強の“ママさんプレーヤー”が、8年ぶりの大舞台で躍動する。
他を圧するスピード、経験に裏打ちされた技術。仲間の信頼と期待を背に、
全日本史上最強の“ママさんプレーヤー”が、8年ぶりの大舞台で躍動する。
女子バレーボール日本代表の眞鍋政義監督は、「世界のどこにもない、速く、バリエーション豊かな攻撃を追求する」とロンドン五輪での戦略を語る。その鍵を握るのが、ミドルブロッカーの大友愛だ。
大友はスピードと高さがあり、難しい体勢からでも得点につなげられる技術も身につけている。決定力のある大友が前衛にいれば、相手ブロックがそこに引きつけられるため、サイドの選手はブロックの薄い、楽な状態でスパイクを打つことができる。
しかし昨年9月に大友が右膝前十字靭帯を損傷し離脱してからは、日本の攻撃がサイドに偏った。相手は的を絞りやすくなり、五輪最終予選ではエースの木村沙織や江畑幸子に、相手ブロックが2枚揃い苦戦を強いられた。五輪を前に、大友が戻ってきたことは心強い。
「この8年間、ほんとにいろんなことがありましたねー」
二大会ぶりの五輪に向かう大友は笑う。
妊娠して引退した大友を、復帰へと口説き続けた眞鍋監督。
VリーグのNECで活躍し、アテネ五輪に出場したのは8年前。その2年後の'06年、結婚と妊娠を機に24歳で引退した。しかし'08年、現役に復帰。'10年からは再び全日本に選出され、その年の世界選手権で銅メダル獲得に貢献した。昨年負った怪我の回復には長い時間を要したが、今年6月のワールドグランプリで実戦復帰し、五輪に間に合った。
「一度はバレー界を、自分から離れたけど、またこうして全日本に戻って、オリンピックに出られるというのは、本当に恵まれているなと実感します」と大友は感慨深げに語った。
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photograph by Michi Ishijima