昨年、デビュー16年目にして初めて全国リーディングジョッキーの座に輝いた福永祐一騎手。不世出の天才騎手と言われた福永洋一の息子が、名血の真価をいよいよ発揮しだした。
道のりは決して平坦ではなかった。中学の体育の授業で跳び箱を失敗し、足を骨折して競馬学校の入学試験を1年浪人。そのことがマスコミに報道されてしまうほど入学前から有名人で、端正なマスクに恵まれたことも含めて、ひ弱なイメージが定着してしまったのだ。
そして、'99年には落馬事故で左腎臓摘出の大けがを負い、父と同じ道に進むこと自体に反対していた母・裕美子さんにさらなる心労をかけることにもなった。改名を勧める母の言い分を半分だけ聞き入れて、色紙などにしたためるサインを「福永雄一千」にしたところが、彼の優しさと現実にうまく対応する能力の高さを表している。
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