その中心には、次代のキングと称される1人の天才がいた。
弱冠19歳の若者はブラジル、自らの将来について何を語るのか。
11月9日、サントスFCの本拠地、ヴィラ・ベルミーロにある記者会見場でネイマールが'14年ブラジルW杯終了までクラブに留まることが発表された。誰もがクラブW杯後にスペインのビッグクラブへ移籍すると思っていただけに、この発表は衝撃的だった。
40分あまりかけて行なわれた記者会見は、多少演出を感じるものだった。ルイス・アウヴァロ・デ・ヒベイロ会長の会見後、ネイマールは父親と共に現れ会長と抱き合った。登場したネイマールはトレードマークであるヒップホップ風のキャップを斜めにかぶり「イッツ・グッド・トゥー・ビー・ザ・キング」と書かれた黒いTシャツを着ていた。
まるで今回の決定が、キング・ペレと同じ道を歩む決意を意味していると言わんばかりだ。さらに「11番、ネイマールJr、2014」と書かれたユニフォームをカメラに向けた。
「私にとってこれまで最も幸せな瞬間は6月22日、サントスが48年ぶりにリベルタドーレス杯を獲得した時だった。しかし今日はそれを越える喜びだ」
会長はネイマールを前にして頬を紅潮させてそう語った。ヨーロッパ移籍を見送ったことをネイマールは次のように説明する。
「僕の目的はバロンドールに選ばれることじゃない。サントスで最高のトーナメントを戦っていくことだ。サントスには世界最高の選手、ペレがいた。また僕が憧れた選手の1人ロビーニョもいた。僕自身もサントスで歴史に残る選手になりたい」
サントスのコーチがネイマールを発見した実に興味深い経緯。
翌日、すべての新聞が一面でネイマールの写真を掲載し、会見の模様を詳しく報道した。フォーリャ・ジ・サンパウロ紙は「彼は留まった。キングのように」と見出しをつけた。
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