ウオッカやダイワスカーレットが礎を築いた牝馬が強い時代は、その後もブエナビスタ(牝5歳、栗東・松田博資厩舎)、アパパネ(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)といった後継者たちが間を置くことなく続いて、日本の競馬を盛り上げている。今年のエリザベス女王杯(11月13日、京都芝2200m、国際GI)には、ブエナビスタがジャパンカップに矛先を向けた以外は、現在の日本牝馬の望み得る最高の布陣が整っていた。
それでも日本のファンは2年連続で参戦した昨年の覇者、スノーフェアリー(牝4歳、英国、E・ダンロップ厩舎)を大外18番枠にもかかわらず1番人気に推した。昨年目の当たりにした強さ(2着に4馬身差)がそれほど衝撃的だったのだ。競馬には馬券があるため、ファンのシビアさがはっきりと表に出てくる。日本馬を応援する気持ちは当然あるが、それでも命の次に大切なお金は勝つ可能性の高いほうへと自然に向かうのだ。
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photograph by Kiichi Yamamoto