開幕戦に続き第2戦マレーシアGPも勝利したS・ベッテルは、昨年の終盤戦ブラジルGPから年をまたいで4連勝と速さを見せつけている。最年少チャンピオンという勲章を得てから、その勝ち方はかなり変わったようだ。昨年は10回もPPを奪いながら勝利に結びついたのは3戦と少なく、トラブルや本人のちょっとしたミスなどで勝利を逃したレースがいくつもあった。しかし今シーズン、まだキャリア60戦あまりの、ドライバーとして成長期にある23歳は、開幕戦からある変化を見せ始めた。
金曜フリー走行ではタイムにこだわらず、オーストラリアもマレーシアも4番手発進。コース状況、マシンの状態、タイヤ特性などデータ収集を最優先し、遅くまでエンジニアたちと解析のミーティングを重ねる。今シーズンは今まで彼が使用したことがないKERS(運動エネルギー回生システム)、初導入のDRS(可変リアウイング)、ピレリタイヤへの変更によって、セットアップが複雑化した。メルボルン初日の夜、パドックに最後までいたのはベッテルだった。
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photograph by Hiroshi Kaneko