17歳、石津幸恵の鮮烈な“世界デビュー”だった。ウィンブルドンジュニアで、日本選手では1969年の沢松和子以来41年ぶりの決勝進出。惜しくも敗れたが、攻撃的なテニスで観客の大声援を浴びた。
国内では小学生の頃から敵なしの石津。大会開幕時のジュニア世界ランキングでも9位につけていたが、大会が始まるまでは、ほぼ無名だった。しかし、準決勝で地元英国の天才少女ロブソンに快勝すると、注目度は急上昇。試合後は地元の子供たちのサイン攻めにあった。
決勝でも、身長で18センチ上回るプリスコバ(チェコ)をストロークで押しまくった。内容ではまさっていただけに、ファイナルセット4-2からの逆転負けは残念だったが、彼女の父親でコーチの泰彦さんは「あれは仕方ない。ジュニアではよくあること。かえって、天狗にならなくてよかった」と笑って振り返った。一方、冷や汗をかかされたチェコ選手のコーチは「サーブがよくなればWTA(女子プロツアー)で20位に入れる」と石津を絶賛したという。
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photograph by Hiromasa Mano