長年、日本の女子テニスを支えた杉山愛と森上亜希子が引退した'09年の全日本選手権で、17歳の新女王が誕生した。大阪産業大学附属高3年の奈良くるみだ。第3シードで臨んだこの大会。奈良は準々決勝で'01年優勝の藤原里華を、準決勝では'06年の覇者・高雄恵利加を下し、決勝では'05年に準優勝した米村知子を破って初めての栄冠を手にした。
奈良は決勝のあとの会見で「大会前から、優勝する自分を妄想していました。どういうガッツポーズで終わろうか、って。でも、うまくいかなくて、やり直したいくらい」と笑った。無邪気な笑顔に報道陣もつられて笑ったが、なかなか不敵な17歳だ。冗談めかして話したが、彼女は国内最高峰のタイトルを、狙って取ったのだ。初戦の2回戦から「去年までは一戦一戦に集中しようとしたが、今年は優勝目指して頑張りたい」と公言し、夢を現実にしたのである。
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photograph by Hiromasa Mano