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創部100年超で初ドラフト指名…静岡の無名公立校「本人より仲間が号泣」「サッカー部バスケ部、文化部も一緒に」西武育成3位・後藤幸樹の感涙現場に密着
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間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2026/10/26 06:02
西武育成3位で、沼津商史上初のドラフト指名を受けた後藤幸樹。仲間たちも思わず涙
別室に、やや重い空気が漂う。その空気を変えたのは、やはり大久保監督だった。
「ドラフトは、ここからだから!」
指揮官は満面に笑みを浮かべ、別室に響き渡る声で盛り上げる。リードされて最終回を迎え、心が折れそうな選手たちを鼓舞するようだった。
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育成指名でもプロ入りを公言していた後藤は気持ちを切り替えるように、「育成でもOK。ドラフトはここから」と声を上げる。会場も活気を取り戻した。
少しは恩返しに…涙が出ました
支配下の指名を終えてから15分の休憩を挟んで、ドラフトが再開される。そして、全員の祈りが届き、後藤は西武から育成3位で指名された。不安と緊張から、ようやく解放された。
「自分の名前が読み上げられた時は夢みたいでした。家族をはじめ色んな人たちに支えられて、少しは恩返しになったのかなと思ったら涙が出ました。自分が指名されて一緒に泣いてくれる仲間がいたり、他の部活なのに一緒にドラフトを見てくれた同級生がいたり、沼津商に入ってよかったと思いました」
別室を出て記者会見に臨んだ後藤は、指名された喜びを語った。落ち着いて、一つひとつの質問に答えていく。夢だったプロのスタートラインには立った。だが、ゴールは先にある。
「技術的に未熟な部分を高校生活で伸ばして、キャンプインに備えます。自分の一番の強みは走れる捕手。将来的には日本を代表する選手になりたいです」
愛され力でプロの世界を生き抜け
高校入学当初から後藤の身体能力の高さにほれ込み、プロに向けて二人三脚で歩んできた大久保監督も期待を寄せる。走攻守を兼ね備えた選手としての特徴に加えて、周りから愛される人間性もプロの世界で武器になると考えている。
「これほど多くの方がドラフトに関心を持って集まってくれました。後藤には人を引っ張る、人を惹きつける力があると思っています。プロ野球の世界でたくましく生き抜いて、登場するだけで歓声が上がるような選手になってくれたらうれしいです」
後藤は沼津商に新たな歴史を刻んだ。その裏には多くの人の支えがあったと、ドラフト当日に改めて実感しただろう。この夜、別室を包んだ歓声がプロの舞台でも-――。高校のご近所に“謝罪行脚”することもあった「近所のおじさん」大久保監督をはじめ、後藤を見守ってきた人たちは、その日を待っている。〈つづきは下の【関連記事】へ〉


